連載 -第6回：kintoneを活用したアパレルDX「アパレルの達人」
アパレル業界の「川中（卸・メーカー・OEM/ODM）」 に特化した販売管理システム「アパレルの達人」の機能を、業務フローに沿ってご紹介する本連載。前回 は、「出荷指示管理」アプリによって入荷データから出荷指示書までを自動発行する機能をご紹介しました。
第6回は、出荷が完了した後の処理、すなわち得意先への「納品書」発行と、経理部門への「売上計上」を担う「⑥納品管理」アプリについて解説します。
① アプリの概要：納品管理アプリとは？
「納品管理」アプリは、出荷が完了した実績データを管理する機能です。 「⑤出荷指示管理」アプリからデータが連携され、得意先向けの「納品書」をボタン一つで自動発行します。 さらに、この納品実績を元に、「売上計上」処理を行うことで、最終工程である「請求管理」アプリにデータを連携させる、経理プロセスへの重要な橋渡し役も担います。
② よくある課題 (Before)
納品書の作成と売上の計上は、手作業によるミスの温床となりがちです。
- 出荷の実績（どの商品を何個送ったか）を元に、Excelなどで「納品書」を手作業で作成している。
- 顧客によっては指定の伝票番号での発行を求められるなど、個別の対応が面倒でミスに繋がりやすい。
- 返品が発生した際、処理が別管理（Excelなど）となり、売上データとの連携が取れず、請求金額が合わなくなる。
- 経理部門は、営業や商品管理部門が作成した納品書や売上報告のExcelを再度「請求システム」に転記しており、二度手間とミスが発生している。
③ 導入後の解決策 (After)
「納品管理」アプリは、この納品書作成から売上計上までのプロセスを自動化・一元化します。
- ■ 「納品書」の自動発行
- → 出荷データ（出荷指示）に基づき、「納品書」をボタン一つで自動作成できます。受注データや出荷指示書を見ながら納品書を手作りする必要は一切ありません。
- ■ 柔軟な実務対応
- → 顧客指定の伝票番号での発行にも対応可能です。また、返品が発生した場合もマイナス計上として同じフローで処理できるため、情報が一元管理されます。
- ■ 「売上計上」ボタンで経理へ自動連携
- → 納品が完了し、売上として確定したデータを「売上確定」処理するだけです。これにより、データは自動で「請求管理」アプリに連携されます 。経理担当者が納品データを手作業で転記する必要はなくなります。
④ 関連する画面イメージ
▲納品管理の画面。SKUごとの納品明細が管理されます。この画面から「納品書」の発行 や、次の「請求管理」へのデータ連携（売上計上）を行います。
画面イメージ例）
⑤ まとめ
「納品管理」アプリは、「納品書」という対外的な帳票作成と、「売上計上」という社内（経理）向けのデータ連携という2つの重要な役割を担います。 この機能により、納品書作成の手間を削減し、売上データが請求プロセスへ自動で連携されるため、請求漏れや金額ミスを防ぐことに直結します。
次回
次回は、いよいよ本連載の最終回。 この「納品管理」から連携された売上データをもとに、得意先ごとの「請求書」を自動作成し、入金・売掛金管理までを行う「⑦請求管理」アプリについて詳しくご紹介します。
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