最近、人事や組織開発の分野で「インターナルモビリティ」という言葉を耳にする機会が増えました。
少し難しそうに聞こえますが、考え方はそれほど複雑ではありません。
簡単に言えば、社員が所属部署や現在の職種に縛られず、社内にある別の仕事やプロジェクトへ参加できるようにする仕組みです。
これまでの日本企業では、人の配置は会社や上司が決めるものという考え方が一般的でした。数年ごとの人事異動で部署が変わり、会社が用意したキャリアの中を進んでいく形です。
インターナルモビリティでは、社員自身も社内の仕事を知り、興味のある案件に手を挙げます。正式な異動だけでなく、期間限定のプロジェクトや他部署の支援、社内副業のような働き方も含まれます。
人材不足でも、社内には余力が残っていることがある
企業全体では人が足りないように見えても、すべての部署が同じ状況とは限りません。
新規事業部では人手が不足している一方で、既存事業の一部では業務が落ち着いていることがあります。繁忙期には多くの人が必要でも、それ以外の期間は少し余裕がある部署もあります。
ただ、部署ごとに人員を管理していると、こうした余力は見えません。
人が足りない部署は外部へ仕事を出し、別の部署にいる経験者は、その案件の存在すら知らないままです。
インターナルモビリティは、こうした社内の「不足」と「余裕」をつなぐ考え方でもあります。
社員を無理に異動させるのではなく、週に数時間だけ支援してもらう、プロジェクト期間中だけ参加してもらうなど、仕事の状況に合わせて柔軟に人を動かします。
社員にとっては、転職せずに新しい経験ができる
同じ会社で長く働いていると、担当する仕事や関わる人が固定されやすくなります。
本当は別の分野に興味があっても、現在の部署では挑戦する機会がない。別の職種を経験してみたいけれど、異動希望を出すほどではない。そう感じている社員もいるでしょう。
社内のプロジェクトへ自分から応募できれば、会社を辞めなくても新しい経験を積めます。
たとえば、営業担当者が新商品の企画に参加したり、管理部門の社員が業務改善プロジェクトに加わったりすることができます。
そこで得た経験は、本人のキャリアだけでなく、会社にとっても新しい人材育成の機会になります。
研修で知識を学ぶだけではなく、実際の案件に関わることで、より実践的なスキルを身につけられるからです。
社内公募制度を作っただけでは動かない
インターナルモビリティの一環として、社内公募制度を設けている企業もあります。
ところが、制度はあるのに応募がほとんど集まらないという話もよく聞きます。
募集情報を社内ポータルに掲載しただけでは、忙しい社員には気づいてもらえません。全社員へ一斉にメールを送っても、自分に関係のない情報が続けば、次第に読まれなくなります。
応募する側には、「上司にどう思われるだろう」「現在の仕事と両立できるだろうか」という不安もあります。
案件を出す側にも負担があります。募集文を作り、必要なスキルを整理し、社内へ告知し、応募者へ連絡する。工程が多いと、ちょっとした支援を求めたいだけの案件は公開されなくなります。
制度を機能させるには、社員の意識だけでなく、案件の出し方や情報の届け方まで整える必要があります。
案件を公開し、必要な人に届ける
インターナルモビリティを進めるうえで、まず必要なのは社内の案件を見えるようにすることです。
新規事業のメンバー募集だけでなく、資料作成の支援、データ整理、イベント運営、システム改善など、日常の中で発生している小さな案件も対象になります。
案件を公開したら、必要なスキルを持つ社員へ通知します。
社員が自分で探しに行くことを前提にするのではなく、関係しそうな案件を適切な人へ届けることがポイントです。
興味を持った社員は応募し、案件担当者は応募者と仕事内容や稼働時間について相談します。必要に応じて、担当者側から候補者へスカウトする方法もあります。
この流れが日常的に回り始めると、部署を越えた協力が特別なことではなくなります。
インターナルモビリティを、制度ではなく日常の仕組みに
インターナルモビリティを進めるためには、異動制度や社内公募のルールを作るだけでは十分ではありません。
社員が社内の案件を知り、興味のある仕事へ手を挙げられること。そして、案件を抱える部署が、必要な人材へ気軽に声をかけられることが大切です。
PARKは、社内外にある人・スキル・情報・案件を可視化し、部署を越えたマッチングを支援するプラットフォームです。
案件を公開すると、関係する社員へ通知され、応募やスカウトを通じて参加者を探せます。正式な異動だけでなく、期間限定のプロジェクトや、一部業務の支援などにも活用できます。
これまで部署内だけで解決していた課題を社内へ開くことで、社員は新しい仕事に挑戦しやすくなり、企業は採用だけに頼らない人材活用が可能になります。
最初から全社的な制度を作り込む必要はありません。一つの部署や、一つの案件から試し、社内でのマッチング事例を積み上げながら広げていくことができます。
社員が社内にいながら新しいキャリアへ挑戦できる環境づくりを、PARKから始めてみませんか。





